2025年参議院議員選挙 #科学政策アンケート 各党の回答

各党からの回答を、いただいた順に公開してまいります。

なお、図では以下の略称を使わせていただいております。

 

 

国民: 国民民主党

公明: 公明党

共産: 日本共産党

自民: 自由民主党

立憲: 立憲民主党

無所属: 無所属連合

れいわ: れいわ新選組

維新: 日本維新の会

 

 「その他」の項目に回答がある場合など、記述がありました項目は表の下に各党ごとに記載しました。 

 

 なお、Google Form(https://forms.gle/WSYsoZYNLXD5iiyw7) にて皆様も同じ質問にお答えいただけます。詳しい質問内容もそちらをご参照ください。

 7月18日中にいただいた「皆様からのお答え」は集計して、一番右側に百分率で掲載してあります。今回は24名の方から回答をいただきました。

 


問1

次の二つの意見がありますが、政治家として科学技術政策(特に大学や公的研究機関について の政策)に関わる際に、どちらの意見についてどの程度意識するか、お考えに近いものを一つお選びください。

ア)大学や科学者は国民のお金で研究をしているのであり、その成果は極力国益に資するものである ことが望ましい。

イ)科学というのは人類普遍で中立的であるべきであり、科学者は広く国境を超えて交流することで 研究を進めるものであり、その成果は人類全体の利益に叶うものであることが望ましい。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.(ア)の見解のみを意識する                  
B.(ア)の見解をやや強く意識する                  
C.(ア)と(イ)の見解のバランスをとることが大事である         33.3
D.(イ)の見解をやや強く意識する           58.3
E.(イ)の見解のみを意識する                 8.3
F. その他:                

国民: 我が国の研究者全体の研究力の向上を図るため、個々の研究者がそれぞれの研究環境において多様かつ独創的な研究に継続的かつ発展的に取り組めるよう、科学研究費助成事業や特別研究員制度等の研究者に対する支援策を拡充します。

 


問2.1

ここ30年程度で見ると、大学ランキングや人口比での論文数、トップ10論文数などのあらゆる研究指標で毎年のように日本の順位が低下していることが報じられ、日本の大学の研究競争力の凋落が問題視されています。このことについて、お考えでに一番近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. 日本の研究の競争力は向上していると認識している                  
B. 日本の研究の競争力は低下していると認識している   87.5
C. 日本の研究の競争力は向上も低下もしていないと認識している                 4.2
D. 特に日本一国単位で「研究の競争力」を問う必要は感じていない                 8.3
E. その他:                

国民: 分野、領域によって研究開発力の現状は違うと認識しています。実態として、他の先進国に比べ、教育科学技術予算が増えていないのは日本だけです。教育国債を発行し、教育科学技術予算の倍増を図り、成長分野(AI、半導体、DX、GX、医薬品、自動運転、エネルギー等)への投資を大幅に強化します。強い日本の経済、競争力を復活させることは、政治の責務だと考えています。

 


問2.2

前項の質問でBまたはCとお答えの場合、その問題点はどこにあるとお考えですか? お考えに近いものをお選びください。(この項目は、複数の選択肢をお選びいただけます)

 公明:選択と集中によって重点分野の研究に投資を行うこと、および基礎研究を含めて幅広く研究基盤を強化することはいずれも重要であり、両者の支援のための予算の拡充が必要だと考えます。

 

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. 科学技術基本法や「選択と集中」政策の失敗  -       72.7
B. 「ゆとり教育」など、教育政策の失敗   -            
C. 大学任期法やポスドク1万人計画などによるキャリアパスの崩壊  -       63.6
D. 旧態依然たる大学の組織や人事  -          36.4
E.大学における研究以外の事務業務の増加やサポートスタッフの不足  - 77.3
F. 企業との連携不足  -          4.5
G. 経済力の低下や少子化による自然の減退であり、独立した問題ではない  -            22.7
H. その他:  -           12.5

公明: 選択と集中によって重点分野の研究に投資を行うこと、および基礎研究を含めて幅広く研究基盤を強化することはいずれも重要であり、両者の支援のための予算の拡充が必要だと考えます。

 

れいわ:運営費交付金の縮小による基礎研究の停滞


問3

特に、科学技術基本計画等に基づいて支援する研究分野を絞ったり、業績評価などに基づいて優秀な研究者や研究能力の高い大学に支援を絞る「選択と集中」戦略については、その有効性について多々議論が出ています。このことについてお考えに近いものをお選びください。(この項目は複数の選択肢をお選びいただけます)

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.「選択と集中」戦略を見直し、少額でも幅広い研究者に研究費が分配されることが好ましい。         91.7
B.社会的、経済的効果の高い分野に資金を集中することは有効である             8.3
C.大学ファンドなどを利用し、経営戦略に優れた大学・研究機関に研究費を集中することは有効である           4.2
D.個々の研究者の研究力を適正に評価し、研究費を集中することは有効である         20.8
E.優れた経営センスを持った企業人などを経由して、経済効果の高い分野に研究費を集中することは有効である              
F. その他           8.3

国民: 日本の学術研究の国際競争力を高めるためには、研究者の裾野を広げることも大切ですが、何より中身が大切です。安易に博士号取得者の数に拘るより、研究の中身を精査し、研究者の質を高めることが重要です。

 

公明:幅広く研究基盤を強化すべく、多様な分野で研究者が腰を据えて研究を実施できる環境を構築するとともに、世界において鎬を削っている重要分野において、スピード感を持って投資を行うことが不可欠だと考えます。

 

自民: 国際競争力や経済安全保障につながる戦略分野に研究費を適切に投資する必要があると同時に、研究の裾野を広げ、科学のフロンティア開拓を進めるため、幅広く学術研究・基礎研究へ投資を行っていくことも重要である

 

 


問4

科学技術要覧』令和5年度版によれば、我が国の国内総生産 (GDP) 比でみた政府負担研究費は概ね0.6%から0.7%の間で推移しており、他の先進国と比較して低い水準にあり、拡充が必要だといわれてきました。一方で、20世紀には1%を超えるのが一般的だった他の先進国も、近年は0.7%から0.9%と低迷しており、政府支出の重要性は相対的に低下しているとも言えます。今後、我が国の政府負担研究費をどうすべきとお考えでしょうか。お考えに最も近いものを1 つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. 大幅に増やす     41.7
B. やや増やす                 45.8
D. 現状を維持する               8.3
E. やや減らす                  
F. 大幅に減らす。                  
G. その他:                 4.2

問5

日本の研究競争力向上には基礎科学の充実こそが欠かせない等の理由を挙げて、科学者有志によって「日本の未来のために、 科学研究費助成事業(科研費)の増額を求める」署名が始まっています。声明文では、科研費を現状のおよそ倍の4800億円に拡充することを求めています。これについて、ご意見に最も近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.科研費を4800億円かそれ以上に増額するのが適当である。           25.0
B.科研費倍増は困難でも、今より引き上げるのが適当である。             37.5
C.科研費は現状維持かインフレ相当程度の増額にとどめるのが適当である。                 4.2
D.科研費総額は据え置きか微増に留めるが、基盤BC等への配分比率を上げることが適当である                20.8
E.大学の科研費依存体質を改めるため、科研費予算は低減させていくのが適当である。                  
F. その他:                 12.5

公明: 研究費総額と共に競争的研究費、とりわけ研究者にとって基本的な競争的研究費である科研費(特に基盤B や基盤C などの基礎的な種目)を十分に確保し、我が国の研究力回復・向上と優秀な人材の育成に取り組むことが必要だと考えます。科学技術予算の倍増も掲げています。

 


問6

国立大学協会(国大協)は6月7日に「我が国の輝ける未来のために」と題した声明を発表し、国立大学の財政悪化を訴えています。この中で明確に述べられてはいませんが、報道等によると永田恭介会長(筑波大学長)は会見で(毎年、減額が続いている)「運営費交付金の増額を(国民に)後押ししてもらいたい」と述べたとのことです。国立大学運営費交付金には大学の規模等に応じて給付される基幹経費分と、申請に応じて給付され、成果を求める機能強化経費部分がありますが、ここでは基幹経費について、お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.運営費交付金のさらなる減額を続ける                  
B.運営費交付金の減額を止め、当面は現状程度の金額にとどめる               8.3
C.運営費交付金を国立大学法人化時点と同等の金額(1兆2000億円程度)まで戻す                 66.7
D.運営費交付金を国立大学法人化時点よりもさらに増額させる           25.0
E. その他:            

国民: 基礎研究振興のための大学運営費交付金を増額し、大学・大学院の研究費や人件費を倍増することで、技術の基礎となる研究力をつけ、新たな商品開発力・品質改善力でのイノベーションを支えます。

 

公明:物価上昇等も踏まえ運営費交付金等の基盤的経費を確保することが必要だと考えます。 

 

自民:物価や人件費の増加を踏まえて増額する

 

 

維新: 基幹経費については、一律に増減を議論するのではなく、国立大学法人の規模や特性は様々であることを踏まえ、各大学における経営改革・ガバナンス改革の進捗状況や、地方大学等の運営状況を総合的に考慮した上で、必要な見直しを行うべきである。

 


問7

昨年度は理研などでの雇い止めが問題になりました。研究職は現在、1997年に定められた「大学の教員等の任期に関する法律」(以下「任期法」)によって、無期雇用が一般的な日本の労働慣行の中で特例的に任期を数年に定めた雇用ができるようになっています。一方、労働契約法が改正されたことにより、2013年以降に5年以上継続して雇用関係にある場合は無期転換権が生じることになりました。ただし、「科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律」(以下「イノベーション創出法」)は研究者に限って無期転換権を得るまでの期間を10年に延長しています。そのため、2013年から10年が経過する昨年に、前述の混乱が発生したことになります。このことについて、お考えに近いものをお選びください(この質問は複数の回答をお選びいただけます)

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. 研究者の流動性は高められるべきで、法律の範囲内であれば解雇が容易に行えると解釈すべき                 4.2
B. 研究者も一定の安定が必要であり、法律を厳格に解釈して無期転換権が付与されるべき           54.2
C. 職位や業務内容(研究重視か教育重視か)によってある程度差をつけて、両方の雇用形態が選べるようにすべき               45.8
D. 組織によって競争力重視で高賃金か、安定しており低賃金かといった差をつけて、両方の雇用形態が選べるようにすべき               33.3
E. 任期法を廃止して、研究者も無期雇用を前提とすべき             12.5
F. 運営費交付金増額などの措置をとり、なるべく多くの無期雇用を確保すべき           50.0
G. 労働契約法の無期転換権を破棄する法改正を行うべき                 8.3
H. 無期転換権自体は良いが、研究職を例外としたイノベーション創出法の条文を破棄する法改正を行うべき               0.0
I. 民間企業や公務員にも任期法相当の新法を制定し、解雇を容易にすることで流動性を高めるべき                 4.2
J. その他:            

国民: 任期付き採用が多く賃金水準も低いゆえに、優秀な人材が海外に流出し研究職を諦めている現状を打開するため、研究者の任期なし採用を増やすとともに、能力を正当に評価し報酬を支払う仕組みを整備し、研究・開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進します。

 

公明:研究者の雇用については、その雇用の安定を確保する労働契約法の趣旨にのっとった運用は重要であり、研究力向上のために人材の流動性の確保と研究者の安定的な研究環境との両立を図ることが必要だと考えます。

 

自民:科学技術・イノベーションの創出に向けては、人材の流動性を一定程度確保することが必要であるとともに、意欲と能力のある研究者がふさわしい処遇を得て研究に取り組めるようにすることも重要であることから、法の趣旨を踏まえ、各法人の自主性・自律性の下で適切な人事を行っていくべき

 

無所属: 事情が分からないため無回答

 


問8

国立大学の学費は年間数万円だった1970年台から物価の上昇率を上回る速度で急騰し、国立大学法人化に伴い2004年に定められた標準額である535,800円に達しました。その後20年間、多くの国立大学の学費はこの金額でほぼ固定されています。法律上は大学の裁量で標準学の2割まで値上げ可能であり、昨今の物価高などもあって東京大学などいくつかの大学が値上げの計画を発表しています。また、慶応義塾の伊藤公平塾長などが私学との公平な競争のために、国立大学の学費も大幅値上げできるように法改正すべきだとして、目安として年間150万円程度が適当だという認識を示しました。それらの動きに対して対して学生などから大きな反対運動が起こっています。これについてお考えに一番近いものを一つお選びください。(なお、奨学金については次の質問でお答えください)

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.国立私立を問わず年間の学費を150万円程度まで上げることに賛成である                  
B.国立大学の学費に関しては、私学よりも安い範囲である程度の値上げをすべきである                  
C.国立大学の学費は原則として現状を維持か、物価の上昇の範囲内の値上げに収めるべきである。               37.5
D.国立大学の学費は、無償化ないし大幅に減額すべきである。         54.2
E. その他:           8.3

国民: インフレ社会への移行を踏まえ、国立大学の学費の見直しが議論されることは、必要なことだと考える。一方で、国立大学の位置づけや学生などの意見も踏まえ、どの程度学費を引き上げていくのかは、丁寧に議論していくことが必要。

 

公明:国立大学の授業料の値上げについては、大学の自主性・自律性を持ちながら、教育の機会均等、計画的な人材育成を実現する観点から、適正な水準を確保しなければなりません。値上げをするかどうかは、各大学がそれぞれの状況に応じて、適切に判断します。現在、中央教育審議会で幅広く御議論をしており、授業料の負担軽減についても検討することが必要だと考えます。

 

自民:社会経済情勢等を総合的に勘案して検討されるべき

 


問9

2022年の自殺者統計から「奨学金の返済苦」が項目に挙げられるようになり、22年で10人、23年で6人の方がこれを理由に自殺を選んでいます。その後、給付型の奨学金や学費免除も拡大されていますが、学費・生活費の高騰や高学歴化に十分に対応できるものではないという不満の声も聞かれます。社会問題としての「奨学金返済問題」について、お考えに近いものをお選びください(この質問は複数の回答をお選びいただけます)

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. 現在返済中の方について救済措置が必要である     50.0
B. 現在返済中の方について救済措置は考えていない                  
C. 現状の「所得制限付き無償化」は規模、金額ともに適当である                  
D. 所得制限は必要だが、給付を受けられる世帯の範囲は拡大すべきである           50.0
E. 所得制限は必要だが、給付金額を拡大すべきである             12.5
F. 所得制限のない無償化が必要である       16.7
G. 世帯所得ではなく成績に応じた公的な給付奨学金を設置すべきである                 29.2
H. 無利子奨学金を拡充すべきである       33.3
I. (現在は大学院が対象である)出世払い型奨学金を学部生にも設定すべきである             20.8
J. 有利子奨学金を拡充すべきである                
K. その他:           16.7

国民: 公的資金や教育国債を活用して奨学金徳政令をめざします。当面は、専修学校や高等専門学校、大学や大学院等の高等教育の授業料を減免するとともに、既貸与者の奨学金については 1人最大150万円まで免除するとともに、返済額を所得控除の対象とします。

貸与型奨学金の所得制限を撤廃し、奨学金の原則無利子化と返済不要の給付型奨学金を中所得世帯に拡大します。卒業生の奨学金債務も減免します。

 

公明:現在返還中の方には、減額返還支援制度の拡充、企業・自治体の返還支援の拡充を更に進めます。また2030年代の大学等の無償化をめざし、大学等の修学支援新制度(授業料等減免と給付型奨学金)の拡充に取り組みます。貸与型奨学金の対象拡大や、教員等の返還免除を大学院だけでなくさらに学部生にも拡充します。奨学金減税についても検討します。

 

共産:奨学金は給付制中心にあらためます。「自宅4万円、自宅外8万円(月額)」を75万人に支給する本格的な奨学金制度を創設し、対象・支給額を拡充していきます。

 

自民:返還の猶予・免除、所得連動返還方式、企業による代理返還、また給付型奨学金の拡大など、奨学金を受ける学生の方々の状況に応じ、様々な支援制度を設けている。制度の周知やきめ細かな相談体制を整え、より効果的に支援が届くよう努めていく。

 


問10

科学技術・学術政策研究所 (NISTEP)の『科学技術指標2023』に示されるように、日本は人口あたりの博士号取得者で他の先進国に立ち遅れているといわれています(図参照)。また、大学院博士課程進学者は2003年をピークに漸減しています(2023年は微増していますが、これが今後も続くのかは分かりません)。このことについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. ジャンルを問わず全体的に博士号取得者を増やしていくべきである。       70.8
B.国際競争力の泉源になるような理工系を中心に取得者を増やしていくべきである。                 12.5
C.特に差の顕著な人文・社会系を中心に取得者を増やしていくべきである。                 4.2
D.政策的に増やす努力をする必要はない。               8.3
E.大学院博士課程の定員そのものを減らしていくべきである。                  
F. その他:             4.2

国民:日本の学術研究の国際競争力を高めるためには、研究者の裾野を広げることも大切ですが、何より中身が大切です。安易に博士号取得者の数に拘るより、研究の中身を精査し、研究者の質を高めることが重要です。

 

れいわ:博士号取得者は増やすべきだが、低賃金ポスドク(高学歴ワーキングプア)のような失敗の再現を避ける必要がある。

 


問11

現在、大学教員も多忙であり、研究時間が十分に確保できていないという報道がありました。また、授業の多くが非常勤講師に担われているという事情もあります。この点を踏まえて、大学教職員数について、最も重要だと思う対策を一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.常勤教員の定員を復旧・拡充する           75.0
B.競争的資金により、特任教員を雇えるように措置する                 4.2
C.合理化やICT, AIの利用などにより、現状維持、ないし人員削減を目指す                
D.他大学との連携推進を活用することとし、必要な制度改正を行う                 12.5
E. その他:           8.3

国民: 基礎研究振興のための大学運営費交付金を増額し、大学・大学院の研究費や人件費を倍増することで、技術の基礎となる研究力をつけ、新たな商品開発力・品質改善力でのイノベーションを支えます。

任期付き採用が多く賃金水準も低いゆえに、優秀な人材が海外に流出し研究職を諦めている現状を打開するため、研究者の任期なし採用を増やすとともに、能力を正当に評価し報酬を支払う仕組みを整備し、研究・開発やものづくりの基盤を支える高度人材の育成を推進します。

 

公明:適切な大学教職員数については、研究の質の向上に向けて、ICT活用、外部委託など業務の効率化を含む大学の機能強化が必要だと考えます。

 

自民:教育・研究・社会貢献という大学の役割が十分に果たせるよう、各法人においてもガバナンス改革を進めつつ、研究などを支援するマネジメント人材・事務職員を含め、適切な職員の質や数を確保していく。

 

維新: 大学においてAI等の新しい技術の積極的な活用を推進し、大学業務の効率化を図るとともに、国等において研究費用の申請書類の簡略化など、研究活動を阻害する要因を減らす。

 


問12

国際卓越研究大学制度について伺います。初年度は、東北大学だけがこの制度の適用を受けることになりましたが、今後のこの制度の方向性はどうあるべきでしょうか。お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.国際卓越研究大学が一校またはごく少数に止まっても、審査は現状通りかより厳格にすべきである               16.7
B.国際卓越研究大学が数校程度になるように、大学とも協力して規模を拡大していくべきである                 8.3
C.国際卓越研究大学そのものが適切ではないので、より多くの大学を広く浅く支援できるやり方に変えるべきである             66.7
D. その他:             8.3

国民: 我が国全体の研究力の底上げを図るため、個々の大学が、知的蓄積や地域の実情に応じた研究独自色を発揮し、研究大学として自らの強みや特色を効果的に伸ばすことが大切です。大学間格差を無くし、国際卓越研究大学以外、特に地方の大学への支援に十分配慮することとし、地域中核・特色ある研究大学総合振興パッケージの大幅拡充等により、十分な予算を確保する必要があります。

 

無所属:事情が分からないため無回答

 

維新: まずは、国際卓越研究大学制度が、研究の成果や若手研究者の育成など、質・量ともに真に有効性がある制度であるかどうかの検証が必要である。

 

 


問13

国立大学法人法が改正され、一定規模以上の国立大学には外部有識者を含む「運営方針会議」の設置が義務付けられました。これによって国立大学の運営がより社会に開かれたものになることが期待される一方で、社会的圧力に屈しやすくなるのではないかという懸念も指摘されています。これについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.運営方針会議や類似の仕組みはより多く、ないし全ての国立大学に必要である。               4.2
B.運営方針会議や類似の仕組みを大規模研究大学に限って義務付けた現行法は適切である                 20.8
C.運営方針会議や類似の仕組みは国際卓越研究大学に指定された大学だけで良い                 16.7
D.運営方針会議や類似の仕組みは大学に適切ではないので廃止か大幅な見直すをすべきだ           54.2
E. その他:            

国民: 運営方針会議については、学長選考・監察会議や経営協議会などの既存の組織との役割の違いを明確にし、現場に混乱を生じさせることなく、国立大学の競争力強化に資するガバナンス体制となることが必要です。

教育教員の質の担保、研究開発能力の向上、感染症や原子力の次世代育成、大学の国際化、入試改革、大学再編等について、国民的な議論を積極的に深めます。。

 

公明:運営方針会議を大規模大学に限って義務付けた現行法は適切だと考えます。

 

自民:運営方針会議を大規模大学に限って義務付けた現行法は適切である。

 

維新: 国立大学法人の運営に外部の視点を取り入れ、透明性やガバナンスを強化することは重要である。一方で、全ての大学に一律に義務付けることは、それぞれの大学の規模や性格を無視した過剰な負担となりかねない。今後も、大学の自主性と説明責任の両立を図りつつ、実態に即した制度設計を行うべきである。


問14

「重要経済安保情報の保護及び活用に関する法律」(以下、同法)では、国家安全に関わる情報を政府と共有する企業に対して、従業員の身辺を調査することを義務付けていますが、現在のところ対象は「事業者」とされており、大学は対象になっていないように読めます。この状況が維持されるべきかどうかについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A. そもそも同法が問題を抱えており、廃止や改正を急ぐべきだ             12.5
B. 大学と安全保障に関わる政府部局との協業は「安全保障技術研究推進制度」等、成果の公開が前提の制度のもとに行われるため、大学研究者に機密の保持を要求する必要はない                 16.7
C. 大学研究者も政府の機微情報を扱うことが想定されるが、その場合は当該研究者を政府やセキュリティ・クリアランス制度を扱える企業で雇用するなど、同法を柔軟に運用すれば十分である                 41.7
D. 大学研究者にもセキュリティ・クリアランスを課すべきであり、そのために必要な法や制度改正があれば行うべきだ               20.8
E. その他:         8.3

公明:同法は政府が保有する情報を保護及び活用するための措置を規定しているもので、行政機関のほか適合事業者にしか及ぶものではなく、研究者等の研究の自由の阻害や研究力の劣化をさせるものではないと考えます。

 

自民:本法の制度においては、行政機関が重要経済安保情報を適合事業者に提供するためにはその同意が必要である上、提供された情報を取り扱うために必要となる適性評価は本人の任意かつ真摯な同意がなければ行わない。さらに、適性評価の結果を目的外利用することは禁止されており、適性評価の結果(適性評価を受けることに同意しなかったことも含む)がいかなるものであっても、提供された重要経済安保情報の取扱い業務以外の業務を従前どおり行うことは妨げられない。

 以上のことから、本法によって、企業や大学等における自由な研究を阻害するものではなく、研究者が望まないのに適性評価の対象となったり重要経済安保情報を取り扱う研究に従事させられることもない。

 

立憲:インフラやサプライチェーンに関しては、民間事業者が適合事業者となることが想定されており、大学が適合事業者となることは考えにくい。大学の研究者がこれらの分野で協働などして、重要安全情報を取り扱う場合は、例えば産学官のJVを設立するなどし適合事業者認定を受けるなどは考えられ、その場合はその法人と委託研究などの契約を結び、関係者がセキュリティクリアランスを受けることになる。特定重要技術研究開発に現時点では研究成果の公開が前提であり、機微情報を提供することを想定していないので、セキュリティクリアランスは不要。

 

維新: 安全保障にかかわる研究についての情報漏洩防止策は不可欠である。一方で、大学における研究活動は学問の自由や国際連携と密接に関わっており、すべての研究者に一律に厳格な審査を求めることは、研究活動や人材交流を妨げるおそれがある。対象範囲や運用方法については、専門家や有識者の意見も踏まえ、慎重に議論を重ねたうえで適切な制度設計を行うべきである。


問15

気候変動など、科学政策の結果が市民生活に直結する局面が増えてきました。欧州では、コンセンサス会議など政治家だけでなく一般市民がこれらの問題について話し合い、その結果を一定政策に反映させる「参加型民主制」の手法が利用される機会も増えています。日本でも北海道の遺伝子組み換えに関するコンセンサス会議や杉並区の気候区民会議など、少数ですがこれらの仕組みを利用した政策づくりも増えてきました。これらの試みについて、お考えに近いものを一つお選びください。

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.有権者は選挙によって意思を示しているので、それ以外の機会は原則として不要である                 4.2
B.それによって政策の方向性が大きく変わるべきではないが、市民の意識喚起のために有効である                 37.5
C.参加型の制作決定プロセスを日本でも積極的に導入し、政策に反映させるべきである       54.2
D. その他:           4.2

国民: 様々な政策立案や政策決定は、民主主義に基づき、議論を進めるべきと考えます。

その上で、より多くの国民の政治参画を後押しする観点から、各級選挙に立候補できる年齢を 18歳とするとともに、英国の若者議会の制度も参考にしつつ、若者が政治参画しやすい仕組みをつくります。インターネットを活用して、政策づくり、選挙運動の各場面で一人でも多くの国民が政治に参加している実感の持てる環境をつくります。

 

自民:行政の政策決定過程においては、必要に応じてパブリックコメントなどを実施し、広く国民の意見を募る機会を確保するべきと考える

 

立憲:気候変動対策推進のため、国民の意見を気候変動対策・エネルギー政策に反映させる仕組み(抽選による国民会議の設置=くじ引き民主主義)の創設や法律名の変更など、現行法の抜本的な見直しを行います。

 

無所属:そもそも遺伝子組み換えや気候変動に対する捉え方が違う。

 


問16

「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」では優秀な博士課程の学生に研究費と生活費に使える支援金が支給されます。これを受給する学生のうち、外国人の比率が 4 割近くになることから、「科学技術・学術審議会第 4 回次世代人材育成ワーキング・グループ(令和 7 年 6 月26 日)資料 今後の博士後期課程学生への支援事業の在り方(案)」によれば文部科学省は外国人学生に関しては研究費のみの支給とすることが検討されています。これについてご意見に近いものを一つお選びください。(なお、特別永住権保持者については他の諸制度で国籍保持者に準じる規定になっていることが多く、ここでもそうなることを想定してください)

  国民 公明 共産 自民 立憲 無所属 れいわ 維新 %
A.採択そのものが日本国籍を要件とするように変更すべき               4.2
B.報道通り、外国籍である場合、研究費のみ支給して生活費を支給しないようにするべき               16.7
C.現状通り、国籍によって区別がないことが好ましく、特に制度変更は必要ない    

          8.3
D.問題は日本の学生が博士課程に進学しないことであり、キャリアパスの安定などで比率を上げることが重要である           62.5
E. その他:             8.3

国民: 支援事業の本来の趣旨を踏まえ、必要な改革や制度の見直しは進めるべきと考えます。また、日本の大学における研究開発力を高めていくためには、平成の30年間で減らされてきた教育・科学技術予算に関して、「教育国債」で教育・科学技術予算を倍増し、「人づくり」を国の最重点政策として進めます(「人への投資」倍増戦略)。特に、基礎研究振興のための大学運営費交付金を増額し、大学・大学院の研究費や人件費を倍増することで、技術の基礎となる研究力をつけ、新たな商品開発力・品質改善力でのイノベーションを支えます。その上で、我が国の科学技術の発展につながるよう、支援の在り方を検討します。

 

公明:SPRINGの事業趣旨である、日本人学生の博士後期課程への進学支援、学生が安心して研究活動に専念できる支援、大学による学生に対するキャリア支援や環境整備という観点からの見直しであり、引き続き、留学生に対しては研究費を支援する方向であることから区別には当たらないと考えます。

また、特別研究員 DC においては国籍要件なく、優秀な博士後期課程学生に対して生活費相当額の研究奨励金を支援します。

 

共産:日本の学生の博士課程進学者が増えるためには、安定雇用や研究環境の改善など研究職が魅力あるものとなるよう施策の転換が必要です。