国際競争時代の研究公正 『研究不正と歪んだ科学: STAP細胞事件を超えて』出版記念シンポジウム
2014年に起こったSTAP細胞事件は、日本社会に大きな衝撃を巻き起こしました。しかし、この事件は首謀者の特異なキャラクターによるものとして消費され、科学研究をめぐる国際的な動向の中で考えるという視点はほぼなかったように思われます。また、研究不正問題に関しては、国内外から、日本の社会や研究機関の持っている特殊な文化の影響を指摘されることもあります。事件から時間が経って、一般社会の関心が風化している今こそ、もう一度研究不正の問題に着目し、日本が科学研究の国際競争時代に、科学技術創造立国としてふさわしい振る舞いと体制を整えるにはどうしたらいいのか、未来志向で考えてみる機会を作れないでしょうか。
今回は、『研究不正と歪んだ科学: STAP細胞事件を超えて』(日本評論社)の出版を記念して、こうした機会の一助にすべく、シンポジウムを開催したいと思います。科学研究の専門家のみならず、こうした問題に関心をお持ちの一般の方々にもご参加いただければ幸いです。
日程: 2020年1月12日(日)
時間: 13:30 〜16:30
会場:大阪大学 中之島センター 講義室302
アクセス情報:http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/
京阪中之島線 中之島駅より 徒歩約5分, JR環状線 福島駅より 徒歩約12分等
参加費: 無料(当初、500円とご案内していましたが、無料に切り替えます。お気軽にご参加ください)
主催:一般社団法人カセイケン(科学・技術と政策研究室)
共催:公共圏における科学技術・教育研究拠点(STiPS)
講演: 榎木英介(一般社団法人カセイケン)
粥川準二(県立広島大学)
中村征樹(大阪大学全学教育推進機構)
コメンテーター:
田中智之(京都薬科大学)
どなたでもご参加いただけます。
申し込みは必須ではありませんが、会場の都合上、メールないしFacebook(イベントページ)でお申し込みいただければ幸いです。
連絡先: 一般社団法人カセイケン
Mail: info@kaseiken.org
https://www.facebook.com/kaseikenorg/
講演者/コメンテーター・プロフィール
榎木英介(えのき・えいすけ)
1971年生まれ。神奈川県横浜市出身。東京大学理学部生物学科卒、神戸大学医学部医学科卒。博士(医学)。現在、一般社団法人科学・政策と社会研究室(カセイケン)代表理事/病理医。 おもな著書に『博士漂流時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン, 科学ジャーナリスト賞2011受賞)、『嘘と絶望の生命科学』(文春新書、2014年)がある。
粥川準二(かゆかわ・じゅんじ)
1969年生まれ。愛知県出身。博士(社会学)。フリーランスのサイエンスライターなどを経て、 2019年4月より県立広島大学新大学設置準備センター准教授。おもな著書に『バイオ化する社会』、『ゲノム編集と細胞政治の誕生』(いずれも青土社)、共訳書に『逆襲するテクノロジ ー』(早川書房)、監修書に『曝された生』(人文書院)がある。
中村征樹(なかむら・まさき)
1974年生まれ。神奈川県出身。東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。博士(学術)。 大阪大学全学教育推進機構准教授、一般財団法人公正研究推進協会理事。STAP問題では、 理化学研究所の設置した「研究不正再発防止のための改革委員会」の委員を務めた。おもな編著に『科学の健全な発展のために』(丸善出版)、『ポスト3・11の科学と政治』(ナカニシヤ出版)がある。
田中智之(たなか・さとし)
1970年生まれ。京都市出身。京都大学薬学部卒。京都大学薬学研究科、武庫川女子大学薬学部、岡山大学医歯薬学総合研究科を経て、2018年4月より京都薬科大学教授(薬理学分野)。共著に『科学者の研究倫理ー化学・ライフサイエンスを中心に』(東京化学同人)。「誠実な生命科学研究のために」https://sites.google.com/site/integrity0lifesciences/ の管理人。
PDFチラシ:https://drive.google.com/file/d/1e39stybOlOu3RepWDtTobeoJamKgIWYM/